オススメの本をイラスト入りで紹介する記事です。
今日紹介するのは杉山尚子さんの本「行動分析学入門」
行動分析学とは「行動の原因を解明する」学問
「行動分析学」をご存知でしょうか?
おそらく聞きなれない人が大半だと思うのですが、
行動分析学とはアメリカの心理学者・スキナーが創始した学問。
枠組みとしては心理学の仲間です。
行動分析学の趣旨は
「人間や動物の行動には原因がある、原因を解明して法則を見出そう!」
実社会では、自閉症や発達障害の研究、医療やスポーツの現場で応用されているそうです。
ちなみに、行動分析学でいうところの「行動」とは
「下界に対して生き物が働きかけること(スキナーの定義)」
「死んだ人に出来るかどうか(スキナーの弟子・リンズレーの定義)」
で判断するそうです。
一般的な行動のイメージより広い!って感じがします。
自販機、モノが出なくて連打してる人に起こっていること
行動分析学を使うと、出来事を冷静に判断できます。
例えば自動販売機。
私たちは、自販機に対して、無意識に「ボタンを押す」→「飲み物が出る」という条件を学習しています。
行動分析学では「自販機のボタンを押す」って行動を下のイラストのように表現するそうです。
この「出ない」→「押す」→「出る」という一連の流れを「行動随伴性(こうどうずいはんせい)」といいます。
いつも当たり前に出てくる自動販売機ですが、
自販機のボタンなどを押してうんともすんとも反応しなかった時、
つい連打したり、ボタンを強く押した経験はありませんか?
押しても出ないなど、思っていた状況にならなかった時、
人間や動物は、一時的に行動がエスカレートすることがあるそうです。
行動分析学ではこの状態を「バースト」と呼んでいます。
モノが出なくて怒りを感じてるのかもしれませんが、
ただの現象だとわかれば、それだけのことです。
思ってたのと違う状況になって、ボタン連打したり叩いてる人がいたら
「あぁバースト現象が起こってるのね」と思うと良いかと思います。
行動分析学を知ると、物事を客観的に考えられる
行動分析学では、言語は「言語行動」として行動のひとつに考えるそうです。
言葉も行動と捉えるのは不思議な感じですが、
言葉は普段から受け手の解釈によって、いくらでもニュアンスが変わっちゃうもの。
言葉に含まれる行動にフォーカスすれば、客観的になれるかもしれません。
行動分析学の考え方を知って人間観察しよう
行動分析学入門を読んで、行動分析学の考え方がわかれば、
気に食わない人間も嫌な出来事も、大抵のことは客観的に観察できると思いました。
視野が広がる感じです。
私は周りの人の気持ちをつい察知しようとして空回りすることが多いのですが、
行動分析学の本を読んで、客観的な気持ちになりました。
日頃から周りの人や自分の感情に振り回されがちな人におすすめの一冊です。