千葉県流山市でイラストレーターをしているノグチノブコです。

イラストを頼みたいけど、どうしたらいいのかな
今回は初めてイラストを発注する方に向けて、発注の流れをご紹介します。※イラスト発注からの流れはイラストレーターによってばらつきがあります。
イラストレーターを見つけるには
まずはイメージに近いイラストレーターさんを探します。
ストックされているポートフォリオなど候補がすでに定まっている場合は問題ないのですが、イラストレーターを探す時の手順としては、大まかに分けると「人に頼む」と「自力で探す」になります。
人に頼む場合
人に頼む場合は、イラストレーターのエージェント会社に手配する・クラウドソーシングのサービスで募集をかける・知り合いに良い人がいないか探してもらう、などです。
エージェント会社は主にフリーランスのイラストレーターやクリエイターを多数抱えており、案件によってマッチングしてくれるサービスを行なっています。クラウドソーシングは、サイト内で案件を公開し適任者を募ることができます。どちらも手数料が別途発生するので注意が必要です。
自力で探す場合
自力でイラストレーターを探す場合は、絵が描ける知り合いに声をかける・SNSやHPを検索する・本や雑誌などの著者名から問い合わせをするなどして候補者を探します。
HPがある場合はお問合せページから、SNSであればDMやコメント欄など声の掛け方はいろいろあるはずです。
すぐに依頼するものがないとか、いつかお願いしたいなぁ〜くらいの場合でもまずはOKだと思います。
声をかけることで、認識し合えますし、そこからやりとりが発生してラリーを重ねるうちに新しいイメージが湧いてくることもあるかもしれません。
お問い合わせの情報の参考例
最初のお問い合わせは、イラストレーターにとってはスケジュール的な面でご依頼を受けられるかどうかの判断をしたり、見積もりの金額を計算する判断材料になります。そのため、イラスト制作に必要な情報を(書ける範囲内で)開示してもらえるとイラストレーター側にとっても進行しやすくなります。
【記入する情報の例】
- 自社の情報(社名、担当者の名前、ホームページや電話番号など)
- 頼みたいことはどんなことか(内容、点数、カラーorモノクロ、サイズ感など)
- 希望の納期
- 目安の予算
- 使う媒体
- その他の条件があれば(納品形式、他の媒体にも使いたい等)
依頼内容によってはイラスト制作者を非公開にしてほしい場合もあるかと思われます。そのあたりも事前に記載されていると見積もりするのにスムーズになります。
見積もりをおこないます
お問合せ時に情報を元に、イラストレーター側で見積もりを行います。
イラストレーターさんによってはHPに目安となる料金表を載せている方もいますが、すべて網羅されていなかったり、その時の状況によって変動もありますので、確認も兼ねて個別に見積もりを行います。
(注意)イラストレーター側で依頼を受けられないことも
すでに他の案件で手一杯になっているなど、イラストレーター側の都合で受けられないこともあります。
ひとりから断られたら後がない状態だと、代替となるイラストレーターを探すところからまたスタートしなければなりません。そうなると大変ですので、あらかじめ他のイラストレーター候補も検討されておくといいでしょう。
契約をして作業スタート
戻ってきた見積で問題がなければ契約する意向をイラストレーターさんに連絡し、正式に発注となります。
ここからは二人三脚で、制作物を完成させていきます。また、見積もり時にざっくり出したスケジュールを具体的に落とし込んでおきます(ラフ完成予定、納期など)
欲しいイラストのイメージはヒアリング時に伝える
具体的にイラストのイメージがある場合は、しっかりお伝えしてみてください。
後出しになった場合、修正内容によっては思ったより時間がかかったり、追加料金になることも。
イラストレーター側がヒアリングしてイメージを引き出すかと思われますが、参考になる画像やイメージする色など共有されるとより伝わりやすくなるかと思います。
「おまかせ」はおまかせじゃない?


イラストを発注するとき、なかなかイメージが上手く言葉にまとまらない場合もありますよね。
そんな時、まずは一旦お任せしたいこともあるかと思われます。しかし「お任せ」といっても本当のところ、お任せではない場合もあり、修正をしてもらいたいこともあるはず。
お任せしたい場合はどんな意味合いでお任せにしているのかまで言語化していただけるとスムーズに進むはずです。
例えば、
- 本当にどんな作品になっても問題ない。本気でお任せしたい場合
- なんとなくイメージらしきものがあるけど言葉にならないので、まずはラフをお任せして、確認と修正を重ねることによってイメージにたどり着きたい場合
2の場合、その旨を事前にイラストレーターさんに共有しておくといいと思います。参考画像やイメージなどがあればなおよしです。
ラフの受け取り→フィードバックの共有
ヒアリングの後、いよいよ実際に作画作業に移ります。
まずは「ラフ」と呼ばれる、全体的なイメージがわかる程度の下書きを作画します。
ラフが完成したら、発注者さん側に現状が送られてくるはずなので、
- イラストに求める内容が反映されているか?
- 媒体に当てはめたときに問題ないか?
など、チェックをし、修正を希望する部分を報告します。
制作意図に沿っているけど大幅に直してほしい等、依頼者側の都合による修正やラフの全直しは有償となることもあります。
ラフ画をもとに清書して完成
ラフのチェックが完了したら、清書に移ります。(清書の前にペン入れした状態の線画で再度チェックをする場合もあります)
清書が完成した段階のチェックは、誤字脱字のようなミスなど、最終的な確認となります。ちなみにこの段階で大きな修正を希望する場合は、別途有償になる場合も多いのでご注意ください。
納品
清書のイラストで問題ない場合は納品となります。
イラストの納品は、PSD(Photoshopデータ)、JPG、PNG形式でのお渡しが可能、チラシなどの紙面デザインではAI(Illustratorデータ)、PDF形式になることが多いです。
PSDデータでの納品といっても、レイヤーが全て統合されていていいのか、背景や人物ごとにレイヤー分けした状態がいいのか、納品の前に要望を共有されるとスムーズになります。
(注意)印刷した状態で納品してほしい時は事前に相談
印刷まで含めた納品は、イラストレーターさんによって対応が変わってきます。
対応不可の方もいますし、対応可能な方であっても手数料が別途発生する場合があります。一番最初の見積もり時に確認しておくとよいでしょう。
最後に
今回はイラストを発注するまでの大筋の流れを解説しました。
他のイラストレーターさんによって手順や金額の発生するポイント(修正回数や手数料など)は変わるかと思いますので、確認していただくと安全です。
イラストの制作は人がおこなっているので、人と人のコミュニケーションが必要になってきます。そのコミュニケーションの部分もイラスト制作の醍醐味として楽しんでもらえるといいかなと思っています。